こんにちは!
福岡で靴作る人「NORI」です。
今回は、タイトルにある通り、専門学校を卒業したので家族に靴を作って感謝を伝えてみた!って言う話です。
ここだけの話、私。もうすぐ30歳になるアラサーなんですが(別にここだけの話ではない。笑)、そんな30手前の大人が「靴作りたいけん、会社辞めるね!」と言い放ち、快く「頑張って!」と言ってくれた家族に何も出来てない2年間だったと気がつきました。(それだけ頑張っていた!ということだと思いたい!笑)
と言うことで、靴を作らせてもらうことにしました!感謝も伝えることができるし、私の靴作りの経験値も上げてくれるという一石二鳥な内容です。笑
私は、なかなか面と向かって感謝を言葉で伝えるのが恥ずかしい人間ですので、ちょうど良い機会です。
それでは、よろしくお願いします。
目次
家族構成
父、母、姉2人といった家族構成です。
祖父、祖母は、皆天国です。
と言うことで、4人分の靴を作っていきます!!
今回の記事は、2部構成(前編と後編)でいこうと思います。
まずは、母と長女の靴作りです!
美人な母への靴
失礼しました。
ここまで、「美人な」が抜けていました。笑
このワードが無いと、母は少し怒ります。(かわいいですよね。笑)
さて、話を戻して、靴を作っていきます。
足や膝のお悩み
「百姓足やけ、履ける靴があまり無くて困ってる。」との事でした。
私はそれを聞いて、『百姓足???』
となったため聞いてみると、
百姓足=足の幅が広い
とのことでした。(初めて聞きました。笑)
それ以外は、特に無いみたいでしたが、自分自身で気がついていないことがあるかも知れません。次の身体の評価に進みたいと思います。
身体の評価
写真を載せたいところですが、NGが出たため、、、ごめんなさい。
みなさん、想像を膨らませてください。笑
まず全身を見たり触ったりして、体の歪みや捻れ(例:肩、腰、膝、足首の左右差が無いか)が無いのか確認します。
見る目が養われていないため、気がついてないことがあるのかも知れませんが、問題は無いと今回は判断しました。
次に、足を見ていきます。(例:足首の柔らかさや筋力等)
お悩みで言っていた幅広の足だと言うのはすぐにわかりました。(JIS規格的にも足長225に対し、足囲がEEE前後、足幅がFでした。)ちなみにとったフットプリントはこちら↓↓↓

また、小指側のお肉が外に広がりやすかったり、正座を良くすることから「正座タコ」のようなものが確認できました。他にも色々と確認出来ましたが、このくらいにしておきます。(全ての情報が靴作りに有益とも限りませんし、今回のお悩みをまず解決することが大切だと思うので。)
歩行に関しては、母指で踏み返しがあまり出来ていない印象でした。
美人な母のリクエスト
リクエストは下記2点です。
- スニーカータイプの靴
- 桜を入れてほしい
靴製作
ここまでで、お悩みを聞き、身体の評価を行い、リクエストも聞けました。
これらを元に靴を作ります。
どんな靴を作るのか?
まずは、どんな靴を作ろうかと検討します。
目標は、『気軽にストレスなく履ける革スニーカー』です!
素材が革の靴を普段から履かない人に対して、どれだけ気軽にそしてストレスなく履けるようにするかが難しいところです。
靴デザイン
桜色のスエードの革でイニシャル「M」を表現したスニーカーを提案してみて、「いいね!」をいただきましたので、デザイン決定です。

木型製作〜型紙
今回、角材から木型を製作することにチャレンジしました。(とてつもなく時間がかかりました。笑)
木型ができたら、仮靴を作って仮合わせを行います。(オンラインで行いました。)
仮合わせで出てきた問題点を修正し、木型を完成させます。(小指の部分にパテを少し盛り修正しました。)
型紙を少し修正します。(木型を修正した分です。)
アッパー
革を切り出します。

手漉きします。

縫製してパーツを組み立てます。

履き口には、クッションを入れます。(足あたりやホールド感をよくしたりするためです。)

ハトメをつけます。(クッションを入れた付近のハトメが一人じゃキツかったので、美人な母にお手伝いをお願いしました!)

吊り込み
革を木型に沿わせます。(写真は、つま先のシワをまとめているところです。)


シャンクと中もの
シャンクを接着し、板コルクを中ものとして接着します。

板コルクを削ります。

底付け(セメント製法)
ミッドソール、アウトソールを接着した後に、巻きゴムを接着するために、アッパーの接着面を荒らします。(荒らしてないと、接着が上手くいきません。)

ミッドソールを接着し、ローリングをつけるように削ります。(母指に抜けるようにします。)
削ったら、アウトソールを接着します。

巻きゴムを丁寧に接着します。

ハンマーで巻きゴムを圧着します。

木型抜き
吊り込み用の仮紐を取って、木型を抜きます。

右足だけ木型を抜いて、抜く前と比較してみました。

仕上げ
中敷に接着剤を塗布します。

中敷を装着します。

靴紐を通して結びます。

靴を磨いたら、完成です!!

適合(フィッティングチェック)
踵の抜け間もなく、幅広の足にもうまくフィットした感じです。

痛みが出たり、違和感もないとのことで、一安心です。
とりあえず、今後も何度か履いてもらい、今後もフィッティングを確認することになりました。
感謝の言葉「いつもありがとう!」と共に納品完了です!!!
長女への靴
次に長女への靴作りです!
足や膝のお悩み
下記2点がお悩みでした。
- ヒールの高い靴(5cm)を履くと足に痛みが出る。
- 骨頭(指の根元周辺)がずっと立ってると痺れる。
身体の評価
こちらも写真NGです。ごめんなさい。。。
特に目立った問題は無さそうでした。
足のサイズは、JIS規格で見ると、足長220に対し、足囲がD、足幅がDとEの間でした。(標準的な足の持ち主のようです。)
ちなみにとったフットプリントはこちら↓↓↓

長女のリクエスト
リクエストは下記3点です。
- ドクターマーチンみたいなブーツ
- オールブラック
- ヒールが少し高め
靴製作
靴作りに入ります。
どんな靴を作るのか?
目標は、『ドクターマーチンよりドクターマーチンな靴』です!
何を言っているんだこいつは。とか思わないでください。笑
単純にドクターマーチンよりも履き心地が良いと思える靴を長女の足に合わせて作ろうとしているだけですので。(それが難しいのですが。笑)
靴デザイン
ドクターマーチンっぽくです。ちなみにパターンは、かわぐつのケンさんの時と同様です。こんな感じです↓↓↓
木型製作〜適合(フィッティング)
今回は製作動画を作ってみました!これを機にYoutubeも、もう少し本格的にチャレンジしていければと思っていますので、チャンネル登録よろしくお願いします!!
ちなみに動画には出していない、仮合わせの写真をこのブログ限定で一枚だけ載せちゃいます。(ここまでみてくれている方は、だいぶ私のファンだと思うので。喜)
チェックシューズと呼ばれるペットボトルで使用されている素材を木型に沿わせたものを仮靴として、仮合わせを行います。今回、靴のデザインがほぼほぼ決まっていたり、ブーツタイプの靴をリクエストしていた等の理由から、そのようにしました。

完成した靴のフィッティングは、素直に良いなと思える感じでした。足に無理なく靴が纏われている感じです。これが長女の『足がもとめる靴』なのかも!と思いました!
こちらも感謝の言葉「いつもありがとう!」を伝えて、無事に納品完了です!!!

まとめ
いかがでしたか?
しっかりと感謝を伝えることもでき、フィッティングもひとまず問題なさそうで安心しました!技術力の向上が、かなり感じられた!とはいきませんでしたが、まだまだこれからと言うことでマイペースで今後も頑張ります!
ところで今回、なぜ母と長女が前編だったのか?気になった方いますか?笑
理由は、木型が割とスムーズに仕上がったからです。改善点は、まだまだありますが、仮靴やチェックシューズの段階で特に大きな問題が無く、修正が少なかったのがその要因です。
父と次女は、仮靴の段階で大きな問題だらけで、大幅に木型の修正をしたりと、全然次の工程に進めない状態でした。今、ようやく木型のOKが出た感じくらいです。。。
私の実力と経験不足で困難の壁に立ち止まっておりました。笑
感謝を伝えるという目的を見失わずに、父と次女の靴作りも頑張りますので、応援よろしくお願いします!!!
次回の後編でまたお会いしましょう。
それではまた。

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