2019年10月18日に行った、『スコッチグレインの革靴ができるまで』のツアーに行ったことについて書いていきます。
写真が多いため、このページの読み込みには時間がかかると思います。ですが、革靴の製造過程がこうなっているのか!こんなにもいろんな人が1足に関わっているのか?など伝えたい!という思いから、イベントに参加して、ブログとして書きました。最後まで読んでくれると、私も実際に見に行きたい!という気持ちになるはずです。よろしくお願いします。
ということで、今回は、浅草エーラウンドさん主催のイベントとして実施されていました。(以下引用)
【浅草エーラウンドとは?】
浅草寺の北側に広がるおよそ2km平米の「奥浅草エリア」には革や靴の工房が点在し、職人が日夜モノづくりに励んでいます。浅草エーラウンドは現在でも革靴出荷量日本一の規模を誇る奥浅草を中心に革の文化とモノづくりの魅力を伝えるイベントです。
第13回目は、ガイドと共に街をめぐる「まち歩きツアー」や「ワークショップ」「商品、材料や道具販売」等をメインに開催!
当日の約100店舗が出店する「店舗情報」や「おすすめコース」、「イベント情報」などを一覧できるガイドブックは下記からダウンロードください。
▼ガイドブックのダウンロードは下記から
http://a-round.info/download/AR2019atmn_guidebook.pdf
あなたの五感で、モノづくりの楽しさをぜひ感じてみてください。
【このツアーについて】
日本を代表する紳士靴ブランド”SCOTCH GRAIN”の製造元である(株)ヒロカワ製靴を見学するツアーです。品質とファッション性を兼ね備えた本物のグッドイヤーウエルト製法の高級靴はどのように生み出されるのでしょうか? 一見の価値ありです!
◎立ち寄り先
・(株)ヒロカワ製靴
◎集合/解散場所
・集合場所:東向島駅(東武スカイツリーライン)
・解散場所:現地解散
【ツアー前後のおすすめの楽しみ方はこちら!】
・今回のメイン会場であるエーラウンドマーケット(山谷堀広場|東京都台東区浅草7-1-22 隅田公園内)やマテリアルギャラリー(隅田公園リバーサイドギャラリー|東京都台東区花川戸1-1)では、数時間かけて製作する本格的な靴づくりやブックカバー・カードケースづくりから、数十分で完成する革小物づくりまで、様々なワークショップを職人やクリエイターが開催いたします。
さらに、革製品をはじめとした商品や飲食が充実のマーケット、仕入れもできる革や各種材料や道具もご用意!
ツアーの前後は、ワークショップや買い物、仕入れで“革のまち”の魅力を感じてみてください。
ガイドブックには、まち歩きをする際の「おすすめコース」も紹介していますので、そちらを見ながら街を歩くのもオススメです◎
▼ガイドブックのダウンロードは下記から
http://a-round.info/download/AR2019atmn_guidebook.pdf
▼浅草エーラウンドHPはこちら
http://a-round.info
スコッチグレインとは?
まず、スコッチグレインとはなんですか?というところを説明しますね。
スコッチグレインとは、東京・墨田で一貫して革靴を作られている革靴メーカーです。
日本人の足に合う木型を使い、
グッドイヤーウェルト製法で作られる革靴で、
履き心地にこだわっているところが、
魅力となっています。
また、素材、木型、製法の3点にこだわって作られているようです。(かっこいい)
詳しくは、こちらをご覧ください。
ツアーの内容は?
お待たせしました!
ツアーの内容です!これがメインですね(笑)
まず流れから。
①参加者集合後、工場へ出発
②到着後、簡単な説明を受ける
③工場見学タイム
④質疑応答タイム
⑤お土産タイム
⑥解散
こんな感じでした!
細かく説明していきますね!
①参加者全員集合後、工場へ出発
参加者は、東向島駅(東武スカイツリーライン)に13:30集合でした。(たしか約15名ほどの参加者がいました)そこで、お金の支払いや、名札が配られたので記入が終わると、『スコッチグレイン ヒロカワ製靴』へ出発しました。歩いて、10分ほどで到着しました。
ちなみにこのアプリで予約しました。
https://apps.apple.com/jp/app/peatix-ピーティックス/id561632513?mt=8
②到着後、簡単な説明を受ける
綺麗な部屋(写真撮り忘れました)に到着すると、人数分以上の椅子が並べられていました。そこで、営業の方2人と製造の責任者の方1人に、スコッチグレインとは?今日の見学の内容は?をさらっと説明してもらい、荷物を置いて、いざ工場の方へ!
と、その前に!
工場の中は写真、動画撮影がオールOKです!
すごいですね!全てオープン!むしろ、「どんどんSNSにアップしてください」と言ってました!では、遠慮なく(笑)
③工場見学タイム
まず、駐車場のようなスペースにて、スコッチグレインで使用されている革について説明をしてくれました。興味深い、おもしろいと思ったことだけメモしていたので、それらのことをここでも書いておきますね。
皮は、なめすことで革となります。なめすとは何か?
皮→そのままでは腐敗したり、硬くなる。
革→様々な工程で皮を素材に改質する。
この工程がなめし(鞣し Tanning)です。
スコッチグレインでは、牛革を使用しています。牛は、生きている年数で皮の厚みが変化するようです。その厚みの違いによって、アッパー、中底、ソールに使用する革を使い分けているようです。皮の厚みは、生きていた年数が長いほど、厚くなり、逆に短いほど、薄くなります。よって、特に足の形に合わせやすいアッパー部分には、薄い革(年数:短い)を使用します。また、特に耐久性が必要なソール部分には、厚い革(年数:長い)を使用します。
年数が長い短いで説明しましたが、短くて6ヶ月、長くて3年ぐらいとのことでした。(皮をなめした革は、食肉の副産物ですものね。感謝です。)
実際に革に触ることができました!説明を受けながら、実際に革の厚みがわかるのはうれしい!
たくさんのソール用の革
サイズによってもソールの暑さは違う!(単純に体重を考慮してるらしい)
6は、サイズのこと!なので、26センチですね!
そして、ここから工場の中に移動して、実際に作業しているところを見学!
まずは中底、ソール部分の見学でした!
一枚の大きな革をまずは目視で傷がないか確認して、傷があれば白い鉛筆で印をつける。それが終わってソールの型を使って切り抜く作業をしていました。傷がついていたところは避けて切り抜いていたので安心ですね♪また、ソールの種類は、(一つの種類の靴に対して)三種類あるそうです。写真にあるようなソール、それの半分のソール、足の指側の真ん中あたりが空いているソール、これらを使い分けて、傷をうまく避けて、余すことなく革を使う努力をされているとのことです。答えてくれた、従業員の方、ありがとうございました^ ^

続いて、グッドイヤーウェルト製法で必要不可欠なウェルトという革とアッパーと一緒に縫われるリブテープというものをソールに貼り付けている作業!まずは、リブテープが貼り付け終わったものを見てください。

実際の作業風景はこちら!
セットして、はじめ~
カタカタカタカタ~
貼り付け終わると、余分なリブテープはカットされます。

ここで、建物を少し移動します。三階建ての三階へ!
移動した建物!かっこいいです!アウトレット用の革靴を作る工場とのことでした~
続いて、アッパー部分の工場見学!
ここでも初めはソールと同じく傷の確認をしてから、アッパーの型に沿って革を切り抜く作業をしていました。傷の確認の時、見せてもらいましたが、どれ?ん?といった感じで、見学者の皆さんで盛り上がりました。作業していた方、すみませんでした。笑
あ、写真撮り忘れました。すみません笑
他にも、シューレース(靴紐)を通す箇所の補強材※を切り抜いていたり、切り抜かれたアッパーを漉き機で漉いていたり、アッパーを縫い合わせたりといった作業をしていました。
※これ、革じゃなかった!フェルト(felt)でした!聞いてみてよかった笑
ここでの唯一の写真載せときます。説明してもらったのですが、あんまりよくわかりませんでした。


二階では、革靴の修理を行っていました。ここの見学はありませんでしたが、軽くみた感じ、たくさんの修理待ちの革靴が並んでいましたよ!
ここで、さらに建物を移動します。

これが、最後の建物。工場の顔、玄関みたいなところですね。
まずは、ずらりと製作途中の靴がたくさん並んでいます。
なんで裏向き?
なんで表向き?なんで裏向き?
傷がつくとすぐわかる茶系は、 なるべく傷がつかないように表向きにしてるみたい。 黒も傷がつかないようにカバーありの棒に支えられて いましたよ!

建物の地下に移動!
ここでは、木型が大量にストックされていました。なぜ大量にストックされていたのか?
それは、木型一つでも四〜五日間は革靴を一つ作るのに使用していて、次の革靴が作れないから。
木型の特徴としては、下記2点が言われていました。
- 色でサイズ分けをしている
- 木型の底が平らではない
一つ目に関しては、作業効率のため色分けしているそう。何色あるんだろう?そこまではわかりませんでした。
二つ目に関しては、歩くときに、力が足の外(小指側)に逃げやすくしているためだそう。スコッチグレインでは、革靴を履いて、歩いているとき、平らになっていることが、理想としているからみたいでした。
昔は、スコッチグレインの靴は、ガタガタしていてカッコ悪いと言われていたそうですが、今や認められているそうです。


地下を出て、地上の方へ!
ここからは、アッパーを中底の付いた木型に釣り込んでいく作業になります。実際に釣込む機械は、下記写真の右側に写っているもの!(とんでもなく高い値段でした笑)
釣り込みとは、アッパーを木型に合わせて、形を整えることです。
では、見てみましょう。(機械ってすごいな)

機械に装着!
釣り込み!もうアッパーが、木型に合わせて、変形していますね!
甲の部分も~ !?!?

違う機械で今度は、かかと部分のアッパーを木型に固定する作業です。早業過ぎて驚きました。上の方のたくさんあるグレーのゴムチューブから釘を出し、固定している様子です。



終わったのでしょうか?
かかとの部分に釘がうたれていますね(見えにくくてすみません)
1段目がafter
2段目がbefore
お次は、足の側面側のアッパーを木型に固定する作業です。ホッチキスを止めるようなイメージでした。出来上がりは、画像の手前に見えているものになります。

カチャ カチャカチャ
アッパー側面の固定完了
お次は機械ではなく手作業です。木型のかかと部分に印があります。これはトップライン(履き口のアッパー上部のこと)をここに合わせてね!という目印らしいです。それに合わせることができたら、釘を打って固定するようです。
ここで、皆さんの普段はいている革靴を見ていただきたいのですが、かかとに部分に穴のようなものありませんか?そう!このための穴だったようです!思わず、みんなで「あ~~~!」となった瞬間でした。(笑)
トップラインの目印と
それに合わせた後に打ちつかれた釘
さあ!グッドイヤーウェルト製法のメイン!リブテープとアッパー、ライニング(アッパーのさらに内側の革。つまり革靴を履いた時に直接足に触れる部分の革のこと。)、ウェルト、を機械で縫い合わせていきます。これをつまみ縫いと言います。職人さんは、簡単にやっているように見えますが、かなりの技術が必要のようです。(やってみたい!)
それでは、実際に作業しているところを見てください。
①はじめ ②折り返し
③もう一息 ④おわり
⑤ハサミで余分なウェルト部分をカット ⑥完成
これがつまみ縫いです!
つまみ縫いが終わった後の画像を見ると、余分なアッパー(黒色の革)とライニング(肌色の革)が見えます。
この余分な革を別の機械でカットしていきます。
①はじめ ②順調です
③折り返しました ④おわり
余分な革がなくなってますね!
ここまでできれば、後はソールを付け、ヒールを付ける作業となります。
まずは、ソールを木型に付けていきます。
これは、接着剤をソールに塗り終えたところですね。黒い部分は、ハチマキと呼ばれる部品です。
ソール装着前
ソールと釣り込みが終わった木型を合体させて、完全に隙間なく、くっつけるために機械で圧着させます。隙間なくというのは、木型の説明時に二つ目の特徴として「木型の底は平らではない」というところから、手だけでの圧着には限界があるため、機械でしているのです。
あ!ソールの三種類のうちの一つです!
茶色のゴムソールがついている箇所には、
おそらく傷などがはいっていたために、
このソールの形をしているのでしょう!
ここで別の階に移動します。
ここまでで、ほぼ革靴の形がイメージできましたね。
次は、出し縫いと呼ばれる作業に入ります。出し縫いとは、ウェルトとソールを縫い付けることです。
出し縫いの前に、出し縫いする箇所に溝を付けていきます。別の機械を使用していきます。
①ピーーーーーって音を発しながら、
溝を掘っていきます。②おわり
出し縫い用の溝ができましたら、いよいよ出し縫いです。
①はじめ
②ダダダダダダ ③折り返し ④出し縫いおわり
⑤糸を伸ばして ⑥ハサミで切る
ここからの作業は、写真なしです。(すみません。スタミナ切れでした笑)
なので結構あいまいな部分がありそうなので、簡単に覚えている範囲で書いていきます。(本当にすみません)
まずは、コバ(ウェルトとソールの側面)を綺麗に削っていきます。
その後、ヒールを取り付け、余分なヒール部分を削っていき、綺麗にします。
コバゴテを熱したもので、再度コバ部分をきれいに整えます。
ソールに染料をつけていきます。(パティーヌのことかな)
後は、かかと部分のみの中敷きを貼り付け、靴磨き!それが終わると箱詰めされる。ざっとこのような感じでした。最後にもちろん検品も行っているそうですが、各作業で検品のような作業を同時にしているため、不良品などが少ないみたいでした。(さすがです)
④質疑応答タイム
到着後に案内された綺麗な部屋に戻り、参加者からの質問に対して、一つずつ丁寧に答えていただきました。ありがとうございます。
⑤お土産タイム
最後にお土産を頂きました!1000円で見学や質問もできたのに、さらに何かをもらえるなんて最高です!
まずはお茶。お次は、5種類の冊子ですね。
あとは、黒の名刺入れ、ミニシューホーン(靴ベラ)、モーモーくん!全部、ロゴ入りでいい感じです!名刺入れは、今回みんな黒で、モーモーくんは、バラバラだったそうです。シューホーンは、再生紙で出来ています!でも、普通に硬いので使えそうです。「もし捨ててしまう場合は、燃えるゴミでお願いします。」と言われていました。(笑)
シューホーンはさっそく使ってます(笑)
モーモーくんかわいい
まとめ
今回、スコッチグレインの工場を見学することで、どのようにして普段履いている革靴が作られているのかがわかりました。こだわり抜かれたスコッチグレインの革靴、手にしたくなりましたね。
みなさんにも伝わっているといいなと思います。
最後まで、見ていただきありがとうございました。
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