こんにちは。靴作り専門学生のNORIです。
今回は、整形靴と呼ばれる靴作りの技術についてです。
なんですかそれは?!と思った方は、読み進めてみてください。私は現在勉強の身です。
そんな私が伝えることで皆さんと一緒に理解を深めていければと思いますので、よろしくお願いします。
整形靴技術とは
Orthopedic-shoe techniqueの訳語です。
下表の「靴の製作・加工技術」のことを言います。また、この技術を用いて作られる靴が、整形靴と言われるものになります。
靴型装具 | 足の採寸(※1)or採型(※2)から作られるフルオーダーメイドの靴のこと |
足底装具 | 既成靴の中に入れて用いる道具のこと |
靴の補正 | 既成靴の底部分を加工すること |
※1:各部分の寸法を測ること。例えば、足の一番長い部分は、かかとの出っ張りから親指or人差し指の長い方までの長さを測る。この時は、点と点を測るのではありません。
※2:さいけいと読み、立体的に体の型をとる方法のこと。例えば、ギプス包帯を足に巻き付けてから行う方法があります。
なぜ整形靴技術が必要なのか?
必要な理由として、以下の2点があります。
- その人の立つや歩くのような機能的な部分を補助すること
- 足(足の関節、皮膚など)を守るような機能が必要であること
また、靴の各パーツの形状、材料の性質を考慮することで、機能障害の軽減を可能にできることが整形靴技術の魅力であり、必要であると言えます。ここで言う機能障害とは、上の2点の他にも、足趾(足の指のこと)や甲の痛みを軽減すること、アーチサポートを矯正することなどがあります。
機能障害への対応方法はなにか?
対応方法は、大きく分けて2点あります。
- 既成靴を補正する
- 靴を製作する
①に関しては、元々存在する靴に対してなので、足底装具の挿入や靴底、アッパーの加工があります。②に関しては、使用する靴型によって2つに分けられます。1つ目は、既成のものを加工した靴型です。2つ目は、足の採寸or採型から製作した靴型です。また、法的給付制度上では、1つ目を「整形靴」と呼び、2つ目を」「特殊靴」と呼ぶみたいです。
「既成靴を補正する」と「靴を製作する」の違いはなにか?
ここでの違いは、メリットとデメリットに従って説明します。
まず、「既成靴を補正する」のメリットとデメリットです。
メリット | デメリット |
・時間:少 ・値段:安 | ・靴が履けない:可能性あり ・素材や形の選択肢:少 ・靴のお金:自己負担 |
次に、「靴を製作する」のメリットとデメリットです。
メリット | デメリット |
・靴が履けない:なし ・素材や形の選択肢:多 ・靴のお金:全額保険医療対象 | ・時間:多 ・値段:高 |
基本的に対照的なイメージで問題ないと思います。
自分が思うこと
いきなりですが、質問です。
立つことや歩くことが当たり前と思っていませんか?自分は正直、「当たり前と思ってはいないが、自分には関係ない事だ。」なんて考えていました。
ただ、この靴を履くと、小指が痛くなることやかかとが抜けることなどがあることで歩くことが嫌になったり、痛くて歩けない・歩きにくいなどの小さなことは、日々感じていました。それは、足のこと、靴のことをしらないことが1つの原因としてありました。
なぜこのような問題を無視して、自分は靴を履き続けているのか?そう考えるようになってから、自分の足や靴について見つめなおしました。そうしていると、足に合っている靴を履けていないことに気が付きました。足に合った靴を探すよりも作った方が楽しい、愛着もわく、あれ?いい事だらけではないかと思うようになりました。
きっと、自分と同じように足にちょっとした悩みを抱えている方やそれ以上の悩みを抱えている方、そもそも気にしていない方などなど、いろんな方がいるのではと思ったら、その人その人の足に合う靴を履いてほしい!と思いつつ、それが当たり前になればいいな、そんなことから靴を作る職人になろうと決めました。
また、この整形靴の技術をもとに靴作りをされている「Andante」というブランドを知りました。ここは、「あなたの個性を引き立てる靴」をコンセプトに靴づくりをしています。このコンセプトは、自分の胸に刺さりました。そこから、憧れました。自分もやろうと決心しました。見てくださいよ、素敵なこの靴を!
まとめ
高齢化社会である今、「歩くこと」や「靴の選択」の関心が高まっています。それは、健康でいたいというところからきていると思います。そのようなことの助けになれるのが整形靴技術には、あるのではないかと思います。
フルオーダーの靴でなくても、インソールなどで履き心地やフィット感などかなり解決してくれることもあります。わかっていても、とりあえず、履けたらいいからとかめんどくさいからと思わずに、足と靴のことにより関心が集まるように願うばかりです。そのきっかけがこのブログであれば本当に幸せです。
体を支えてくれている足。
まだまだ分からないことだらけですが、頑張っていきます。
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。
それではまた。
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