レザーフェスティバルに行ってきました!【靴作り専門学生】【新喜皮革】【コードバン】【ホースハイド】

勉強会
車で1時間ちょいの旅でした

かなーーーーーりお久しぶりです。(多分一年ぶりくらい笑)ブログをほったらかしにして、靴製作や足の勉強に打ち込んでいた人、、、

靴作り専門学生のNORIです。

2021年の出来事を何も残していない!なんてことだ!ということで今更ながらブログにまとめていきます。お付き合いください笑

ということで今回は、新喜皮革さんとペレテリアさん主催の『2021レザーフェスティバル』についてです!兵庫県に住んでいて良かったと思ったのを思い出します。(アクセスしやすいから!福岡にいたらなかなか難しい!泣)

名前の通り、レザーのフェスティバルになります。つまり、革のお祭りですね!2020年は行くことができなかったので念願です!新喜皮革さんの工場見学や革の購入などなど内容盛りだくさんでお届け致しますので、最後まで見てください!では、早速見ていきましょう!

2021レザーフェスティバルとは?

10年目かつ10回目の開催となる革のお祭りです。(2021年の場合)


新喜皮革のコードバンがなんとアウトレット価格で購入できたり、他のタンナーや革卸問屋選りすぐりのレザー販売会にて様々な革に触れて見て購入することができます。

他にも、ワークショップやフードコーナーがあり、家族連れでも楽しめるイベントとなっていました!

また、今回からペレトレアと呼ばれる姫路の皮革の歴史が学べる資料館やカフェ等が併設された施設も会場の一つとなっており、より皮革に興味を持ち楽しめるようになっていました。

詳しくは、新喜皮革のHPをご覧ください。

日時

2021年7月17日(土)と18日(日)

10:00 ~ 16:00

場所

姫路市花田町小川1166 新喜皮革


姫路市花田町高木124  ペレテリア

新喜皮革について

新喜皮革入り口前

馬革(コードバン、ホースハイド)を製造しているタンナー様です。(2021年でちょうど70年経つみたいです)

牛革が主流の時代もありましたが、馬革をより良くし、多くの人に使ってほしいという情熱から馬革一筋でやっているそうです!(月に大体2000頭分の馬革を生産してます)

馬革一筋と言ってはいますが、色んなことにチャレンジしているタンナー様で、現在製造の99%が馬革だそうです!では残りの1%はなんなのか?

ブラックバス近代マグロがそうみたいです。(魚の革は靴に仕えるんだろうか???笑)今回、触れて見る機会がなかったため、次回以降に期待します!

工場見学

では早速、工場見学について見ていきましょう!

こちらは、先着順の事前予約制となっていまいした。そのため、このイベントがいつあるのかを把握し、素早く予約する必要がありますので、ご注意ください。(2021年開催の場合は、午前・午後の部で分かれており、各20名限定でした)

10分前に参加者はフードコーナーを横目に集合し、軽く工場見学の流れを説明してもらい、資料が配られました。

フードコーナー
もらった資料(馬革のことがよくわかります!)

移動して早速第一工場に入っていきます。

そこで出迎えてくれたのが、独特な匂いを放つ馬の原皮!(夏ということもあり、なかなか鼻がやられました笑)

ここがヨーロッパから輸入された原皮を保存する場所とのことです。

塩漬けされた状態の原皮(独特の匂いがします)
アップして見てみましょう(まだ毛がついてます)

次に、少しだけ奥に進みまして、ピッド槽鞣し(タンニン鞣しのなかの一つの方法で植物の樹脂タンニンが入った槽に漬け込む手法のことです)による鞣しの工程の説明を受けました。ちなみに鞣しと言うのは、皮から革にすることで簡潔にいうと腐らなくしてしまうことになります。

みなさん興味津々です!

2階に移動する途中の階段で、先程よく見えなかったピッド槽がよく見えました。

ピッド槽

2階では、先程のピッド槽鞣しが終わった馬革の説明が行われました。まず、革は食肉の副産物で作られるものです。そのため、世界中で肉が食べ続けられる限り、持続可能な物となるだろうとのことでした。(確かに確かに)

写真には、3枚の革が並べられています。どれがコードバンかわかりますか??

馬がうつ伏せしているような感じ(上が頭で、下がお尻、センターが背中、サイドが足)

正解は、、、

コードバンの革

下のお尻部分の革でした!馬の革には、ホースハイド(お尻以外)とコードバン(お尻)に分けられます。

なぜ分けられるのでしょうか?

それは、作業効率や生産工程、時間が違うため切り分けているそうです。

ちなみにコードバンと言えば、独特な輝きを見せてくれますよね。その輝きが、まだ出ていませんね。

もー少し、読み進めると出てきますので、少々お待ちを、、、慌てないでくださいね笑

といいつつチラ見せ??

続きまして、第二工場に移動します。

工場長の金田さんから鞣しについて教えていただきました。

タンニン鞣しは、経年変化するため『味が出る』ことや、クロム鞣しは、色艶が手入れでそこまで変わらないことなどなど。

こちらの第二工場には、クロム鞣しに使用するドラムが多数ありました。

ドラムが回転することで皮は鞣されます
試作品の革を製作する際は、銀色の小さなドラム(写真中央)で鞣しを行うみたいです

さて、2階に移動して、コードバンの輝きの秘密を聞いていきましょう!!

この画像で分かった方は、今日さえてます!笑笑

まずコードバンのことについて少し解説をしておきます。

コードバンの革を断面で見てみると、上(毛が生えていた側)から、銀面層⇨コードバン層⇨肉面層の順に層が分かれています。ホースハイドの革を断面で見てみると、コードバン層はなく、銀面層⇨肉面層のみとなります。つまり、馬のお尻部分からしかコードバンは生まれないということがわかります。

ここで、疑問が生まれます。なぜお尻部分のみなのか?それは、、、、

わかりません!知りません!(でも、これって神秘的やん♪ by新喜皮革の社長さん)

との事でした笑(おもろいやんけ♪ by NORI)

さて、話を戻していきましょう。

みなさん、お尻部分の革の形を覚えていますか?もう一度見てみましょう。

メガネっぽい??

サングラスのようなメガネのような形をしていると思いませんか?だから、新喜皮革の方々は、「メガネ」とよんでいるそうです。(他でもそう呼んでいるかもしれません笑)

このメガネですが、全ての部分からコードバンが生まれるわけではないんです!(何?!?!)

左右差や大小の差は、馬によって様々ですが、基本的には斜線部分(背中を挟んだお尻部分)にしかコードバンは生まれないそうです。

コードバンが生まれる場所です

ただし、ごく稀に(1/200くらい)コードバン層が繋がっているものがあるそうです。新喜皮革では、ベルトの製造に使用しているそうです。

大量の原皮をブロックで輸入し、鞣してこの後説明するグレージングを実際にするまで、コードバンの大きさはわからないそうです。そんなとこに、コードバンの希少性や魅力等が感じられそうですね。(宝探しのような気持ちにもなりそうな、、、笑)ちなみに食肉用の馬ではなく、競馬で活躍しているような競走馬は、皮下組織が少ないそうで、革には不向きだそうです。

稀に現れる特大コードバン!!!

ホースハイドが、染色(2~3色を合わせて要望の色を表現する技術)や加脂工程(革の柔軟性や保存性を向上させる技術)等を経て仕上げに入流のに対し、コードバンはグレージングと呼ばれる工程の後に染料or顔料で染めるみたいです。

ここでは、グレージングの実演を見ることができました。実際に見ていきましょう!(写真ですけど笑)

まず、円柱のガラスの棒を、

ガラスの棒

グレージングの機械にセットします。

グレージング専用の機械

それでは革を用意して、

職人のお二人

回転する力で先ほどのガラスの棒が前後に移動します。そうすることで、革をこする、磨くようなことになります。

グレージング実演中

こうすることでコードバンの持つ輝きが生まれます。これが、グレージングと呼ばれる工程です。

コードバンらしくなってきました!

ここにも職人技が隠されていました。足元に注目です!!

足元で革に均一の力が面で伝わるように調整します

グレージングが完了した革は、素晴らしい輝きを放っていました。惚れ惚れする輝きですね。今回のコードバンは1/200ではなかったようです。そんなタイミングよく現れるわけありませんね笑

説明はありませんでしたが、他にも様々な機械が置いてありました。

何に使用されるんでしょうか?(わかる方教えてください!)
これは多分、厚みを測る、、いや違うかな笑

これにて工場見学は終了です。時間にして1時間もなかったと思いますが、本当にあっという間で「もう終わり?!」と思ったくらいでした。もっともっと、馬革について知りたくなるような工場見学でした。

案内してくださったり作業風景を見せて下さった職員の方々、本当にありがとうございました!忘れられない日になりました!!!

コードバンの販売

階段を上がったところが入り口です。

新喜皮革のコードバン販売会場に行きました。そこには様々なコードバンがアウトレット価格で販売されていました!やはり、革がここまで大量にあると自然とテンションも上がり、購入意欲が刺激されます笑

コードバンがずらりと並んでいます
さらにお求めやすくなっているコードバンです

ここで、先ほど工場見学で学んだメガネタイプのコードバンを見つけたので、1/200を探してみました!(アルカナアルカナ、、、)

通常のコードバンです

ありました!!!!!!

これはテンションが上がりました!なぜかって??

1/200のコードバンも見つけました

実際に見て、触れることができたからです。これで知識とのリンクが取れて、もう一生忘れません笑

近隣のタンナーや革卸問屋のレザー販売

コードバン以外にも牛革や馬革(ホースハイド)も大量に販売されていました。

牛皮もずらりと並んでいます
定番色のレッド、オレンジ、ブルー、ブラック、ブラウンです。

こんな変わった型押しの革を見つけました。しかも、色違いです。

グリーンのワニ型押し
イエローのワニ型押し

こちらはホースハイドです。かなり柔らかめで伸びやすい革でした。

白い方の生成り感が、なんか好きです

皮革製品等の販売

皮革製品や革漉き機、刻印、ハチミツ等も販売されていました。

刻印のお店の方と仲良くさせていただき、刻印について色々と伺いました。いつか自分のお店を持つときにお願いしようと思っています。その時はよろしくお願いします!(刻印屋さんのHPはこちら

革漉き機
刻印
ハチミツ

マッスルの見学

今回のイベントのサブタイトルにある「レザーとマッスルで力強く姫路を盛り上げよう!」とあります。

その名の通りに大会のような形式で、マッチョなお兄さんが、皮革製品を持ちポーズを決める度に歓声が湧くといったステージイベントもありました。

それでは、マッチョ好きな方どうぞ!!!笑

ベリーマッチョです

ペレテリアについて

ペレテリア入り口前

姫路の伝統産業である皮革の歴史が学べる資料館!

皮革製造にまずは興味を持ってもらうための楽しいワークショップ!!

名物の美味しいクロワッサンが食べられるカフェ!!!

等が併設されている施設になっています。(ちなみにイタリア語でペレテリアは革製品です)

太鼓の演奏もありました(小学生の頃、やっていたのを思い出します)

見学会

工場見学が終わるとペレテリアに移動するのですが、手段としては徒歩と送迎車になります。

送迎車は、アルファードorランドクルーザーといったでかくで高い車です。(語彙力低くてごめんなさい笑)

乗ったことない車なので、こんなところにもテンションが上がってしまったNORIでした〜ちなみに両方の車に乗ることができました。ランダムで来るのでどっちに乗れるか分からないのです。笑

送迎車のランドクルーザーです

さて、中に入ると1階部分にはカフェやレザーの販売、ワークショップが行われていました。

2階に上がると一人のおじさんがいました。この方の熱量がすごいこと!皮革の歴史を楽しそうに熱心に説明してくれました。これも楽しかったです。質問にも丁寧に答えていただきました。

ありがとうございました!!

金唐革で作られた仕切り板
金唐革で作られた馬の鞍

これって、革なの?!?!と言ったものがたくさんあり、昔の革について知ることができよかったです。やはり、歴史って大事だし、面白い。

まとめ

初めてのタンナー見学に皮革の歴史に触れることができて、本当によかったです。貴重な経験ができました。

出来上がった製品にしか目がいかなかった私も、靴を作る立場となり、材料である革ができるまでを知りたいと思うことが増えました。それは、靴のデザインに大きく関わる革であるとと同時にその人に合った革(柔軟性など)である、つまり機能面についても考える私だからこそ知らなければならないと思ったからです。

そんな時にこのイベントを知り、真っ先に予約しました。

今回は、コードバンについてのことがメインでしたが、今後も色んなタンなーさんに伺ってみて、この革の何がいいのか?どう作られているのか?靴にした時の機能面や見た目にどう影響するのかを考える材料としていきたいです。

「革は五感で感じろ!」

もっと、もっと勉強していきます。

最後に購入品で締めようと思います。それではまた。

ブラックのコードバン
キャメルのコードバン
ホワイトのホースハイド